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【読書記録】本当の自由を手に入れる お金の大学

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ビジネス書グランプリ2021で総合2位、アマゾンの売れ筋ランキング(1時間毎に更新)でも長らくランクインしている「本当の自由を手に入れる お金の大学」
今更ながら読了しましたので、紹介します。

著者プロフィール

両@リベ大学長。
IT企業経営者・投資家。「リベラルアーツ大学」というウェブコンテンツを運営。節約・税金・投資・副業に関するお金の教養を発信。
本書が初の著書。

本の概要

自由な生活を手に入れるためにはどうしたらいいか?という問いに対し、「お金を持てば自由になれる」と説く一冊。
お金を持つために著者が必要だと提示する、お金にまつわる5つの力「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」について、順序だてて解説する。

初めの章では、上記の5つの力を得ることにより、経済的に自由になれる=家計が健全に回り豊かに暮らせることを図解する。
5つの力の並び順にも意味がある。まずは、今すぐに着手可能な固定費の見直しによって「貯める力」を得る。無駄な支出を抑えた後は、資産を増やす元手を得るために「稼ぐ力」が必要となる。続いて、削減された支出と増えた収入により生まれる余剰資金を活用して不労所得を得る、お金を「増やす」段階へと進む。その後は、増えたお金を詐欺や浪費から「守る」。最後に、自由な生活を得てからの人生をより良く豊かにするため、お金を上手に「使う力」が必要となる。この5つの流れを、丸々1ページ使い図解することで読者の頭に叩き込む。

次章からは、それぞれの力のつけ方を詳細に説明する。
以下、目次とテーマを記載。

Step1 貯める - 支出を減らして貯蓄を増やそう -
通信費・光熱費・保険・家・車・税金の見直し

Step2 稼ぐ - 稼ぎを増やして蓄財ペースを上げよう -
転職・著者おすすめ副業

Step3 増やす - 貯蓄を投資にまわして資産運用しよう -
準備・株式投資・不動産投資

Step4 守る - 形成した資産を守ろう -
詐欺・ぼったくり・浪費・被災・盗難・インフレ

Step5 使う - 人生を豊かにすることに使おう -
寄付・豊かな浪費・自己投資・時間を買う

本書のターゲット層は「今から資産形成を始める人」であるため、Step1~Step3に本全体の9割のページを割く。

感想

お金の知識を持つ「両学長」(=著者)が、マネーリテラシーの低い「リーマンくん」(=読者)に対話形式で解説していく構成になっています。二人の会話が吹き出しで表現されているため、ブログを読んでいる感覚です。お金のことはよく分からない・活字を読むこと自体辛い、という方でも投げ出さずに読了できる一冊でしょう。

本書の魅力は、本書をきっかけとして、お金に興味を持たせてくれる点だと感じました。反対に、一定の知識があり、様々な節約術・投資を実践している人にとっては物足りない内容になるかと思います。お金の大学というタイトルなので高等教育のイメージが先行しますが、どちらかというと中等教育です。お金のやさしい教科書という言葉の方がしっくりくるかな?と感じています。

本書では、行動に移しやすい技が多く紹介されています。冒頭に述べたビジネス書グランプリで、本書が「ビジネス実務部門」第1位を獲得しているのも頷けるかと思います。本書に紹介されている技の中でぽちが実践していることは以下の通りです。

  • 電力会社の乗り換え
  • ふるさと納税
  • 医療費控除
  • インデックスファンド投資
  • 増配・高配当株投資

ぽちにとって苦手なテーマは税金と保険なのですが、
(USCPAで米国税法を学んだくせに、日本のことはあまり把握出来ていません笑)
(保険は、担当のベテラン生保レディが怖くて足踏みしています笑)

本書でそれぞれの仕組みに関するアウトラインがつかめましたので、これを機に学び直しをしようと意識が変わりました。

また、個人的に知れて良かったと思う情報は危ない系の話です。
ポンジスキーム、私募ファンド、未公開株、トルコリラ/ブラジルレアル建て仕組債、外貨建て保険、合法詐欺について軽く触れられています。ちなみにぽちが大学1年生だった頃、まだ芋臭さが漂っていたせいか、マルチ商法系の人に狙われることが複数回ありました笑

大きな資産を築いたのであろう著者だからこそ実践的な「守る力」について語れるのでは、と思うのですが、本書では6ページのみの掲載である点が残念でした。危ない系の手口は日々進化するので「守る力」もアップデートを怠らないようにせねばと思います。手始めに、国民生活センターのwebサイトを読み始めました。
例えばこのページ。
詐欺的な投資勧誘トラブル(テーマ別特集)_国民生活センター
毎月発行されているウェブマガジンもあります。
2021年12月号【No.112】(2021年12月15日発行)(国民生活)_国民生活センター

ハウツー本は、行動に移してこそ意味があると思います。
本書を通してお金に興味を持ち、理解を深めるために各テーマの専門書に触れ、自身の状況に合わせて最適な選択を実践する。
本書との距離感はそれくらいが丁度良いと感じました。
難しいことは分からないけれど、お金について考えたいと思う方にとって、手に取る価値ありの一冊です。